認知度低く、利用されない ADR
神奈川新聞、9月21日報道
神奈川新聞にて、私の所属する神奈川県行政書士会が開設した「ADR(裁判外紛争解決手続き)センター」の記事が掲載されました。
自転車事故、円満に解決 ADR認知度低く利用低調 | カナロコ
良い記事なら大歓迎ですが、内容は残念ながらその「ADRセンター」の利用が低調であるというものです。
記事は、おそらく「ADRセンター」自体の PR の意味合いの濃いものと思います。
神奈川県行政書士会の「ADRセンター」は、自転車事故の解決サポートを行っています。
記事では、 ADR の内容、手順など、丁寧に説明されています。
和解成立は2件
ADR は、開設から2年半で、問い合わせが年間30件程度。調停の実施数は、開設以降で3件、和解成立はうち2件とのことです。
この数字は、私は知りませんでした。
東京や埼玉の行政書士会の ADR では、どうなんでしょうか・・・
記事では「認知度」が大きな問題としています。
認知度が低く利用が伸びないのはその通りですが、利用実績、解決事例がないから、認知度が上がらない、利用が増えないとも考えられ、「鶏と卵」的な感じがします。
センターで取り扱った事故例
記事では以下の2例を上げています。
少年の自転車とパート従業員の自転車が交差点で衝突。けがをした従業員から治療費や休業補償などの支払いを求められ、少年の親が調停申し立て。
自転車と高齢の歩行者が路上で衝突。治療費の支払いと謝罪を求められ、自転車側が調停申し立て。この事例をみると、どちらもケガをさせてしまった側(加害者とは限らないと考えますが・・・)損害賠償の支払いを求められて、調停を申し立てています。
やはり、自賠責保険のような制度がないことが、争いの元と考えていいと思います。
また、「たかが自転車の事故で・・・」といった感覚が残っていることも影響しているでしょう。
警察への届出義務もなく、現場検証のような第三者が事故直後に関与することも少ないので、ケガを負ってしまった側から賠償金を請求すると、お互いの主張が正面からぶつかってしまうのでしょう。
自転車事故でも、多額の賠償が認められる裁判判決は多く、自賠責の基準が適用されるケースも多くあります。
ADRセンターの認知度を上げることも必要ですが、自転車による事故が、大きな被害をお越し、多額の賠償責任が生ずるケースがあることを、まずは認知してもらう事ではないでしょうか・・・
ADR 調停員研修
神奈川県行政書士会のADR 調停員研修では、調停技法か、民事法務、判例研究など、多くの項目の研修と、長い研修期間が必要とされています。
現在進行形で受けている者としては、前向きに多くの行政書士が取り組んでいますので、多くの方々の力になれるようにと思います。
そのために、行政書士として努力していきたいと思います。
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