文化審議会著作権分科会著作物等の適切な保護と利用・流通に関する小委員会
クラウドサービス等と著作権について
本日(10月31日)、文化審議会著作権分科会著作物等の適切な保護と利用・流通に関する小委員会の第7回を傍聴してきました。
前回、第6回は傍聴できませんでしたので、流れが切れて、理解できなくなってるかと心配でしたが・・・
この小委員会では、7月の第1回から、「クラウドサービス等と著作権について」を検討してきています。
検討では、色々なサービスが展開されているクラウドサービスを類型化した、昨年のワーキンググループの検討から、小委員会で「タイプII」と読んでいる、ロッカー型クラウドサービスへの検討をまず行うこととなっており、その検討が、前回で一区切りがついたとのことです。
ロッカー型クラウドサービス
まとめの方向性は、以下のとおりに確認されました。
- ロッカー型クラウドサービスは、基本的には「私的使用目的の範囲内」と判断する。
- 「私的使用目的の範囲内」に属さないサービスに関しては、「集中管理による契約スキーム」で、処理する。
ロッカー型クラウドサービス以外
ロッカー型クラウドサービスのまとめへの方向性ができたことで、今回からはロッカー型クラウドサービス以外についての検討へ移りました。
まずは、検討のための現状把握というか、5団体から意見表明がありました。
1.一般社団法人電子情報技術産業協会
個別の制限規定(問題となるサービスごとに対応するという意味か・・・)によるものでなく、一般規定の導入を検討するべきとし、柔軟性のある規定の導入の必要性が表明されました。
以前から言われている「フェアユース規定」の導入を望んでいると感じました。
2.株式会社ホットリンク
法人向け評判分析サービスである「クチコミ課長」の業務説明があり、このサービスでは、現行の著作権法にのっとって、いかにサービスを展開しているか、著作権処理はどうしているかの解説がありました。
全く問題なくサービス展開ができているとのことでした。
クチコミ@係長 | 業界No.1ソーシャルメディア分析ツール | 株式会社ホットリンク
3.一般社団法人 日本書籍出版協会
著作権者の反対を重視して適法化を否定したり、金銭の支払を条件としたりすることがないようにすべきと述べ、利用と対価還元がひょうり一体の条件として検討されることが当然であると表明されました。
4.一般社団 日本新聞協会
「柔軟な権利制限規定」に反対と、フェアユース規定に明確に反対する意見表明でした。
スナップショットをアーカイブするサービスや、論文作成・検証をするサービスを想定してでしょうか・・・
第三者にフリーライドされることを大きく問題視しての検討がなされたように感じます。
5.一般社団法人日本商品化権協会
商品化権、キャラクタービジネスの団体からの、「プリントサービス」を想定しての意見表明がありました。
許諾のないキャラクターの、マグカップやシャツへのプリントサービスは認められないといった内容ですが、現行の著作権法でカバー出来る範囲と感じました。
今回で、次の検討が始まった、という印象です。
この小委員会では、フェアユースへの検討はされないようです。
現行の著作権法でカバー出来る範囲のサービスもあると思いますが、どれだけ今後のサービスを予測した、理解しやすい一般的な規定を策定する方向性がまとめられるかが焦点と思います。
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