2014年11月18日火曜日

二次的著作物の創作で著作権法違反

コミック誌にゲームキャラクターを無断使用

PSコントローラーの画像

著作権法違反で、出版社等を書類送検


17日、ゲームソフト会社「スクウェア・エニックス」が発行する、コミック誌に掲載の「ハイスコアガール」に、ゲームソフト会社「SNKプレイモア」の格闘ゲームのキャラクターを、無断で使ったと書類送検されました。

著作権法違反:スクエニ社や押切蓮介氏を書類送検 - 毎日新聞

以前に、スクウェア・エニックスは、家宅捜査も受けています。

「ハイスコアガール」では、複数のゲームのキャラクターが、二次的に利用されていますが、今回問題となっているキャラクター以外は、事前に使用許諾を受けていたそうで、何故か、このキャラクターだけが、無許諾となっていたようです。

著者は、
「許諾は会社が得ていると思った」
スクウェア・エニックスは、
「著作権侵害はない。裁判所で判断してもらうしかない」
と主張しているとのこと。

法廷闘争は、避けられないようです。

二次的著作物

著作権法の「二次的著作物」の創作・利用に関してを復習してみましょう。

著作権法では、以下のように規定されています。
(翻訳権、翻案権等) 
第二十七条  著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。 
(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利) 
第二十八条  二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。
「二次的著作物の創作・利用に関する権利」は、著作者の持つ権利のうちの「著作権(財産権)」として規定されています。
第二十七条では、「翻訳」、「編曲」、「変形」、「脚色」、「映画化」、「その他の翻案」を「二次的な創作・利用」と定義されています。

今回の場合、ゲームソフトのキャラクターを、マンガ作品中で利用することは、この「二次的な創作・利用」になることは、容易に理解できるのではないかと思います。

また、第二十八条は、原著作者(この場合、ゲームソフトのキャラクターの著作者)は、二次的著作物(この場合、マンガ作品)に対しても、著作者としての権利を持っていることを、規定しています。

「二次的な創作・利用」という行為では、「使わせてねーー?」、「オッケー!」というように、簡単に処理されるべきものではないのです。

「二次的な創作・利用」において、原著作者の許諾が必要であることは、容易に想像できても、原著作者が二次的著作物へ著作者として権利を持つことは、理解できていないのではないかと思います。

実務においては、「許諾」を受けるだけでなく、契約として、著作者としての権利行使に関して、取り決めておく必要があるのです。

業界の認識を


記事では、以下のコメントも掲載されています。
京都精華大マンガ学部の呉智英(くれともふさ)客員教授の話 
漫画業界では有名作品のキャラクターを使用し新たな作品を作る「2次創作」が一部で許されている。作品の人気を示すことができるため、使用される側が黙認することも少なくない。ただ、漫画業界が2次創作のガイドラインを整備しないと、トラブルが続く恐れがある。
ともに、著作物を使ったビジネスを行っている会社同士ですから、著作物に対しての愛情というか、深い理解とリスペクトをもって、ビジネスを進めて頂きたいと思います。


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