ISO 9001
認証の現状
2010年の集計数字で、少々古いのですが・・・
ISO 9001 の世界の認証数は、111万件(2010年末)で、増加の基調(約5000/年)にあります。
一方、日本の認証数は、2006年をピークに減少が続いています。
企業の海外進出、外国企業との取引きなどでの必要性から、取得が伸びたことは想像できます。
国際規格である ISO は、企業の信頼を国際的に証明する機能が期待できます。
多くの企業が ISO の認証取得に動き、ISO ブームのような現象が生じ、その流れに乗って ISO の認証取得を行った企業も多かったのではないでしょうか。
日本の認証数は、ピークがさり、「ISO では儲からない」といった、経営者の声も聞こえる状況ともなってきています。
ISO 9001 は、2015年の改訂が予定され、ISO9001/2008 の認証を受けた企業も、2015年の改訂に合わせての再構築が必要となってきます。
こういった節目の時期を目前にし、ISO の有効運用、PDCA の確実化といったものを目指し、「品質マネジメントの8原則」の重要性が再認識されています。
品質マネジメントの8原則の必要性
ISO 9000 の規格は、「品質マネジメントの8原則」を基本的な考え方として作成されています。ISO9001 が企業にとって有効に機能しているかは、「品質マネジメントの8原則」の考え方が徹底されているかにかかわります。
また、現状の運用がうまく行っていないと感じられる企業であれば、「品質マネジメントの8原則」の観点の見なおしが有効です。
品質マネジメントの8原則
原則1:顧客重視
組織は,その顧客に依存しており,そのために,現在及び将来の顧客ニーズを理解し,顧客要求事項を満たし,顧客の期待を超えるように努力することが望ましい。
お客様の信頼を得る。
企業のメリット
- 市場での機会に柔軟かつ迅速に対応することによる,収入及び市場占有率の増加
- 顧客満足向上のための,組織の資源活用の有効性の向上
- 再取引きにつながる顧客のロイヤリティの向上
原則2:リーダーシップ
リーダーは、組織の目的及び方向を一致させる。リーダーは、人々が組織の目標を達成することに十分に参画できる内部環境を創りだし、維持すすことが望ましい。
仕事の目的、意義の明確化と共有化。(責任と権限)
企業のメリット
- 人々が,組織の目標を理解し,それに向けて意欲をもつ。
- 活動が,統一された方法で,評価され,整合され,実施される。
- 組織の階層間の情報交換の不足及び不備が最小限に抑えられる。
原則3:人々の参画
すべての階層の人々は、組織にとって最も重要なものであり、その全面的な参画によって、組織の便益のためにその能力を活用することが可能となる。
全員参加
企業のメリット
- 人々が,意欲をもち,熱意をもって事に当たり,深く参画する。
- 組織目標の向上における革新及び創造性
- 人々が,自己のパフォーマンスについて説明責任を果たす。
- 人々が,継続的改善に意欲的に参加し,貢献する。
原則4:プロセスアプローチ
活動及び関連する資源(人、物、金)が一つのプロセスとして運営管理されるとき、望まれる結果がより効率よく達成される。
「仕事」を「プロセス」として考える=プロセス指向。
企業のメリット
- 資源の効果的利用による,コストの削減及びサイクルタイムの短縮
- 改善され,安定した,予測可能な結果
- 改善の機会について焦点が絞られ,優先順位が付けられる
原則5:マネジメントへのシステムアプローチ
相互に関連するプロセスを一つのシステムとして、明確にし、理解し、運営管理することが組織の目標を効果的で効率よく達成することに寄与する。
関連プロセスをシステム(総体)として捉え、全体最適を図る。プロセスフローの活用。
企業のメリット
- 望まれる成果を最大限に達成するプロセスの統合及び整合
- 主要なプロセスに取組みを集中する能力
- 組織の一貫性,有効性及び効率に関して利害関係者に信頼感を与える。
原則6:継続的改善
組織の総合的パフォーマンスの継続的改善を組織の永遠の目標とすることが望ましい。
PDCA改善サイクルの実行。
企業のメリット
- 組織の能力の改善を通じたパフォーマンスの優位性
- すべての階層における改善活動と組織の戦略的意図との整合
- 機会に迅速に対応する柔軟性b)継続的改善の原則の適用のためには
原則7:意思決定への事実に基づくアプローチ
効果的な意思決定は、データ及び情報の分析に基いている。
統計的品質管理。QC7つ道具の活用。
企業のメリット
- 十分な情報に基づく決定
- 事実に基づく記録への参照を通じた,過去の決定の有効性を実証する能力の向上
- 意見及び決定をレビューし,挑戦し,変更する能力の向上
原則8:供給者との互恵関係
組織及びその供給者は相互に依存しており、両者の互恵関係は両者の価値創造能力を高める。
ビジネスパートナーとWIN-WINの関係を築く。
企業のメリット
- 両者の価値創造能力の向上
- 市場又は顧客の,変化するニーズ及び期待に対して共同で対応する際の柔軟性及びスピードの向上
- コスト及び資源の最適化
以上、簡単に記述しました。
ISO 9001 の運用は、企業側にも負担のかかるものですが、PDCA を上手く回せれば、企業価値も、本来の企業活動も向上し、社会的な認知も高まることと思います。
積極的な運用で、メリットを享受しましょう。
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