退社の社員が営業秘密持ち出し
不正競争防止法違反の疑い
競合関係にある会社を退社した社員が、営業秘密に当たる設計データを持ち出したと、不正競争防止法違反の疑いで捜索が始められているそうです。
営業秘密のデータ持ち出した疑い 男逮捕へ NHKニュース
競合会社への転職を知った、元の会社での調査で発覚し、告訴したそうです。
元の会社の危機察知能力が告訴に至った訳ですが、その前の段階での制御ができなかったことを残念に感じていることでしょう。
企業間で、NDA と呼ばれる「秘密保持契約」を締結することは、ビジネス上、相当数あることで、当事務所でも「秘密保持契約」に関する業務に、多く関わっています。
社内での営業秘密となると、やや危機感が薄まってしまうこともあるようです。
「秘密保持契約」に関する業務を依頼されると、必ず「御社での営業秘密は、どの様に管理されていますか・・・」「御社の営業秘密は、どの様なものですか・・・」とお聞きしますが、明確に回答がかえってくる企業さんは、少ないと感じています。
社内での営業秘密に関しては、曖昧なままで、社外に対しては「秘密保持」をまず考える・・・
少々、いびつな感じがいたします。
不正競争防止法は、営業秘密を積極的に守ってくれる万能の法律ではありません。
差止請求、損害賠償請求、信用回復措置請求といった民事上の請求、「10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金(又はその両方)」といった形而上の請求を求めることができるに過ぎません。
事後的補償が受けられるだけです。
営業秘密漏洩によって受けてしまう、企業の社会的責任、信用などの喪失を防ぐことは直接にはできません。
日常の管理、意識が必要となってくるのではないでしょうか・・・
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